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損害賠償請求されたらどうする? 損害賠償の基本から弁護士に相談するメリットやタイミングを解説!

損害賠償請求

2024.11.012024.11.06 更新

損害賠償請求されたらどうする? 損害賠償の基本から弁護士に相談するメリットやタイミングを解説!

損害賠償請求された場合、請求に応じるか、交渉するか、または争うなどの選択肢があります。初めて損害賠償請求に直面した場合、その流れや手続き、や必要な証拠など、何から手を付ければ良いのか分からないことが多いでしょう。

そこで本記事では、損害賠償請求の基本的な概念から具体的な手続きの流れ、事案の解決のために必要な準備などを解説します。損害賠償に関する法的対応を検討するための有益な情報を提供しますので、ぜひ参考にしてみてください。

損害賠償請求とは?

損害賠償請求とは、他者の行為によって被った損害を金銭等で補償してもらうための法的手続きです。これは被害者が加害者に対して、受けた損害の回復または補填を求める権利を行使することを意味します。

損害賠償は、交通事故や医療過誤、契約不履行、名誉毀損など、様々な状況で発生する可能性があります。損害の内容は、物的損害や身体的損害、精神的苦痛など多岐にわたります。

請求できる損害の範囲は直接的な損害だけでなく、その結果として二次的に生じた逸失利益なども含まれることがあります。

損害賠償請求を行うためには、一般的に加害者の故意または過失、損害の発生、因果関係の存在などの要件を満たす必要があり、この制度は被害者の権利を保護して社会の公平性を維持する上で、重要な役割を果たしています。

損害賠償の基本的な意味と目的

損害賠償の目的は、他者の行為によって被った損害を金銭等によって補償させることです。この制度により被害者は適切な補償を受けられ、加害者は自らの行為に対する責任を負うことになります。

また、事故や不法行為の抑止にもつながる効果があります。

損害賠償の種類と分類

損害賠償には、主に契約上の債務不履行に基づく損害賠償と不法行為に基づく損害賠償の2つの種類があります。

契約上の債務不履行による損害賠償は、契約当事者間で合意した義務を果たさなかった場合に発生します。例えば、納期遅延や品質不良などがこれに該当します。

一方、不法行為に基づく損害賠償は、故意または過失により他人の権利や法律上保護される利益を侵害した場合に生じます。交通事故や名誉毀損などがこの例です。

損害賠償請求は主に金銭によって行いますが、当事者の合意によって修理等の原状回復や現物での賠償も可能です。

また、損害賠償は損害の性質によって、積極損害と消極損害に分けることもできます。積極損害は実際に被った損失を指し、医療費や修理費などが該当します。消極損害は得られるはずだった利益の喪失を意味し、休業損害や逸失利益などがこれに含まれます。

請求対象となる損害の範囲

損害賠償請求において請求できる損害の範囲は、原則として被害者が被った実際の損害の範囲までです。損害の種類としては直接の財産的損害、逸失利益、慰謝料などが含まれます。

財産的損害には物の修理費や医療費などの実費が該当し、客観的に金額を算定しやすい特徴があります。逸失利益は、事故や不法行為によって得られなくなった将来の収入を指し、被害者の年齢や職業または収入状況などを考慮して算定されます。

慰謝料は精神的苦痛に対する賠償であり、その算定には個別の事情と裁判例が大きく影響します。

重要なのは、請求できる損害が事案ごとに異なる点です。例えば、製造物責任法に基づく請求では、拡大損害も含まれる可能性があります。

損害の範囲を適切に把握して証拠を収集することが、公平な解決のために不可欠です。

損額賠償金の計算方法

損害額の計算方法は、おおまかに次のようなパターンに分かれます。

  • 修理費用、治療費、交通費など、実費として額が確定するもの
  • 休業日×給与日額の〇%、のように一定の計算基準に基づくもの
  • 中古品のプレミアや評価損など、個別の事情による算定が必要なもの
  • 過失相殺による修正

原則として実際に発生した損害額を算定し、見合う金額を決定します。この際、直接的な損害だけでなく、侵害が無ければ将来的に得られたであろう利益も考慮されます。

例えば交通事故の場合、治療費や車両修理費といった現実の支出に加え、後遺症による将来の収入減少なども損害額に含まれます。また精神的苦痛に対する慰謝料は、一定の計算基準があるほか、被害の程度や性質、被害者の年齢や職業なども考慮され社会通念に基づいて算定されます。

被害者にも過失がある場合は、過失相殺の原則により、その過失割合に応じて損害賠償額が減額されることがあります。

示談交渉や裁判の際はこれらの要素を総合的に判断し、公平かつ適切な賠償額を決定することになります。

損害賠償請求権の発生条件

損害賠償請求権が発生するためには、原則として次の要件が全て満たされる必要があります。

  • 故意または過失があること
  • 権利・利益に対して侵害があること
  • 被害者に損害が生じていること
  • 侵害行為と損害に因果関係があること

例えば交通事故の場合、加害者の不注意運転という違法行為によって被害者が怪我をしたり車両が破損したりするという損害が生じ、その間の因果関係が明確であれば請求権が発生します。

契約関係においては、一方の当事者が契約上の義務を履行しなかったことで相手方に損害が生じた場合などに損害賠償請求権が発生する可能性があります。ただし、不可抗力による場合や、損害が予見可能でなかった場合など、請求権が制限される場合もあります。

損害賠償は加害者に故意過失があることが原則ですが、例外として所有者責任は無過失責任です。例えばブロック塀が倒れて歩行者が怪我をした場合などは、所有者がブロック塀の建築について充分に注意を行っており故意または過失がないとしても、所有者として責任を問われます。

被害者が損害賠償請求する手続き

被害者が損害賠償請求を行う場合、相手方へ直接的に内容証明郵便を送付する方法か、訴訟を提起する方法が一般的です。いずれの場合も、被害者本人が行うか弁護士が代理で行うケースがあります。

これらの損害賠償請求手続きがされた場合、いずれの場合も一定の証拠があるケースが多いため、請求された相手方としては対処方法が重要になります。

以下では、損害賠償請求された場合にどうすべきか、手続きを解説していきます。

損害賠償請求された際の対応

適法な損害賠償請求を受けた場合、請求された側が取れる行動は次のいずれかです。

  1. 認容して支払う
  2. 交渉する
  3. 拒否する
  4. 自己判断せず弁護士に相談する

これらのほか、現実に取り得る行動として無視も考えられます。ただし無視は得策ではありません。請求が適法である場合、遅延損害金の追加請求等の可能性もあるためです。また企業としては社会的な信頼度が低下する可能性も考えられるでしょう。

仮に裁判になった際にも無視を続ければ敗訴が確定し、差押等の強制執行に進む可能性もあります。

いずれにしても具体的な対応策を決める際は、まず弁護士に相談するのがオススメです。解決を弁護士に依頼すれば、交渉や裁判手続きを代理してもらうことも可能です。

以下、それぞれの行動についてメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

認容して支払う

相手方に与えた損害を認識しており請求額も妥当と考える場合、請求を認容して賠償を支払う方法があります。

この場合でも、支払って終わりではなく以後互いに債権債務は無いことを確認する旨などを記載した示談書を作成しておくとよいでしょう。

全面的に請求に応じる場合の大きなメリットは、早期解決できることです。早めに謝罪や和解の意思を示すことで、問題の長期化や悪化を防ぐことができる場合があります。また対応にかかる事務的・精神的な負担も小さくて済みます。

デメリットは、損害賠償額の払い過ぎになる可能性がある点です。被害者の過失の有無や請求の法的妥当性を充分に検討せずに賠償に応じてしまうと、過分な請求に対してそのまま支払ってしまう可能性があります。

交渉する

損害賠償請求を受けた場合、示談交渉は最もスタンダードな対応方法です。

交渉には、当事者あるいは弁護士に依頼して行う示談交渉のほか、ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する方法や裁判所を利用した民事調停を行う方法があります。

交渉の際は、要素となる証拠の検討や過去の裁判例との比較、被害者側の過失等を客観的に検討し、支払うべき妥当な賠償額を計算します。

示談交渉のメリットは互いに譲歩し、法的に妥当な損害賠償額の支払いおよび解決に向かえる点です。

デメリットは、交渉の長期化とそれにかかる経済的・精神的な負担です。交渉の内容によっては被害者を刺激して長期化してしまう場合や、慰謝料の増額を請求されるようなリスクもゼロではありません。

被害者の請求に正当性がある場合には、むやみに交渉を長期化させることで企業としての信頼を失う可能性もあります。

示談交渉の際は、法的な知識のある弁護士へ委任するなどの対応が必要になるでしょう。

拒否する

請求に全く身に覚えがない場合や妥当性がないと考える場合には、請求を拒否する方法があります。まず示談交渉に臨み、その結果として請求を拒否するケースもあります。

請求者が納得しない場合、その後は訴訟等の裁判手続により解決を目指すことになるでしょう。請求の根拠に乏しいクレーマー的な請求の場合には、拒否のみで終結するケースもありますが稀です。

請求を拒否するメリットは、拒否が正当である場合に損害賠償請求を回避できる点です。

デメリットは、訴訟に発展する場合も多く難化する可能性がある点です。敗訴の場合には原則として訴訟費用の負担も課されます。

自己判断せずに弁護士に相談する

損害賠償請求を受けた際は、初めに弁護士に相談することを強くお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応策を見出し、自身の権利を守ることができます。

請求に応じるべきか、交渉に進むべきか、請求金額の妥当性は個別の検討を行わなければ判断は難しいものです。

請求に応じるつもりがある場合でも、まずは弁護士に相談して妥当性を確認するとよいでしょう。

損害賠償請求への対応は、その後の事業展開にも大きな影響を与えます。慎重かつ適切に初期対応を行うことが問題解決への近道となります。

損害賠償請求されたら弁護士に相談するべきか?

損害賠償請求の通知を受けた場合、軽微な事案や当事者間で円満に解決できそうな場合は、必ずしも弁護士に相談する必要はありません。

ただし一般の方が法的に正確な決断を下して対処するのは非常に難しいため、弁護士に相談することは多くの場合で強く推奨されます。

損害賠償請求の通知は、例えば以下のようなケースが考えられます。

  • 請求者は正当な請求のつもりだが、現実には根拠がなく支払う必要のないもの
  • 法律上根拠のある請求だが、請求額が不当に大きいもの
  • 法律上根拠のある請求だが、交渉の余地があるもの
  • 特殊詐欺であるもの

特に請求額が高額な場合や事案が複雑な場合には、専門家のアドバイスが不可欠です。弁護士は、法律の専門家として適切な賠償額を算定し、交渉を有利に進める手助けをしてくれます。

また弁護士に相談することで、自分では気づかなかった法的な問題点や、支払うべき賠償金の額を明確にすることができます。裁判に発展した場合の手続きにおいても、弁護士の存在は大きな力となります。

近年では、裁判所からの通知さえも装った特殊詐欺も増えています。損害賠償請求を受けた際に少しでも不安や疑問がある場合は、初期段階で弁護士に相談することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

弁護士に相談するタイミング

損害賠償請求された際に弁護士に相談するタイミングは、請求された後すぐか、可能な限り早めが望ましいです。

また交渉中の場合でも、事態が複雑化しそうと感じたり不安を感じたりした場合には、専門家のアドバイスを求めるのが賢明です。

遅くても示談交渉が完結する前には相談するのが良いでしょう。示談は紛争解決の最終的な合意であり、その後の蒸し返しが難しくなるためです。ただし、その場合でも重要な要素に錯誤があった場合等は合意内容を覆せる場合もあります。

自己判断せずにまずは弁護士に相談することが大切です。

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