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秘密保持契約(NDA)とは?電子契約できる?契約のメリットや契約書の作成方法、注意点などを徹底解説

情報漏洩対策

2024.11.012024.11.06 更新

秘密保持契約(NDA)とは?電子契約できる?契約のメリットや契約書の作成方法、注意点などを徹底解説

秘密保持契約(NDA)はビジネス上の重要な情報を保護するために締結される契約の1つです。本記事では、秘密保持契約の基本的な概念や目的、必要な場面、作成方法などを詳しく解説します。

まず、秘密保持契約とはどのような契約かを理解することが大切です。この契約によって、秘密情報の漏洩を防止するとともに保護し、相手方が情報漏洩した場合には損害賠償請求が可能になります。

また、必要となる具体的な場面や業務、法的要件についても解説します。起業家や企業の法務担当者など、幅広い方々に役立つ情報となっておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

秘密保持契約(NDA)とは?

秘密保持契約(NDA: Non-Disclosure Agreement)とは、企業間や企業と個人の間で取引や業務委託などを行う際に、相手方から提供される情報を秘密として保持し、第三者に漏えいしないことを約束する契約のことです。

契約書には、具体的な取引内容やノウハウなど、本契約で相手方に公開される秘密情報の範囲のほか保護期間などを記載することが一般的です。

そのほかに受領者側が情報を漏らした場合に支払う損害金等のペナルティを定めておくことで、情報漏えいを防止する目的があります。

なお、本契約で定めた秘密情報の範囲外の情報であっても、一方が相手方の秘密を漏えいすることによって具体的な損害を発生させた場合には、民法の一般不法行為として損害賠償の対象となり得る点にも注意が必要です。

秘密保持契約を締結する際には、契約書を作成して相手方の署名捺印を得るか、電子契約を行うなどして証拠を残しておくことが重要です。

契約書の作成には無料テンプレートを利用することもできますが、企業法務を専門とする弁護士の助けを借りることでより的確な契約書の作成が可能となります。

秘密保持契約における『秘密とは』

秘密保持契約における『秘密』とは、契約において取り扱うべき機密性のある情報を差します。具体的には、技術や営業戦略などのノウハウのほか、顧客情報や特許出願中の技術など多岐にわたります。

秘密保持契約によって保護する秘密情報の範囲や取り扱い方法は契約ごとに異なる範囲を指定できます。

秘密保持契約を結ぶ際には、双方が明確な秘密情報の定義と範囲を合意し、それを契約内容に盛り込むことが重要です。

秘密保持契約(NDA)と機密保持契約の違い

『秘密』とは前述のとおり、秘密保持契約を締結する際に対象として指定する特定の情報を差します。

これに対し『機密』とは、普段から企業や個人事業主が対外的に秘密にしている内部情報を指します。そのため、企業同士で新たな取引や契約を行う場合などは基本的に『秘密保持契約』とします。

秘密保持契約(NDA)を導入する理由

秘密保持契約を導入する理由は以下のようなものがあります。

  • 強固な情報漏洩対策
  • 取引先との信頼関係を築く
  • 法的リスクの軽減

特に知的財産や技術情報は競争力の源であり、漏洩防止が重要です。取引に必要な秘密情報の範囲を明確にして保護することで、双方が信頼して取引を行えるようになります。

万が一情報漏洩が発生した場合、契約違反に基づいて相手方へ損害賠償等の対応が可能になります。

これらの理由から、多くの企業が本契約を導入しています。今後ますます情報化が進む社会において、秘密保持は必要不可欠な契約となっています。

根拠となる法律と関連法令

秘密保持契約を行う場面では、民法、不正競争防止法、あるいは刑法などが関連法令として挙げられます。

秘密保持契約(NDA)は、その名のとおり『契約』の一種であるため、基本的には民法のルールに拘束されます。

そのため本契約に違反した場合には、民法上の債務不履行責任や契約で定めた賠償金の支払い義務などの責任が発生します。

また、本契約において対象とした『秘密』の範囲外の情報であっても、不当に漏えいさせることにより具体的な損害が発生した場合には、民法上の不法行為責任が成立する可能性があります。

さらに、漏えいが意図的に行われた場合には、事例によってさまざまな犯罪が成立する可能性もあります。

不正競争防止法とは

不正競争防止法とは、事業者間の不正な競争を防止し公平のために定められた法律です。不正競争防止法第2条6号では、次の行為が不正競争にあたると定義されています。

その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為

不正競争防止法は法律であるため、秘密保持契約の締結の有無に関わらず適用があります。

例えば、当事者間で秘密保持契約の対象としなかった営業秘密についても、相手方が不当に情報開示等を行えば不正競争に該当し、本法律による処罰を受ける可能性があるため注意が必要です。

秘密保持契約(NDA)が必要な場面とは?

秘密保持契約(NDA)が必要とされる場面は、主に自社の機密情報を保護しながら、他社や個人と情報交換や共同事業を進める際です。

具体的なケースとして、以下のような場面が挙げられます。

  • 新技術や特許情報を開示しながら取引先と商談を行う場面
  • サービス開発を業務委託する際に、外部企業に業務内容やシステム情報を提供する場面
  • 雇用契約の際に業務内容や会社の情報を伝える場合

これらの場面では、開示される情報が競合他社に渡らないよう、第三者に情報が漏洩しない取り決めが重要となります。

秘密保持契約の締結タイミング

秘密保持契約(NDA)の締結タイミングは、秘密情報が開示される前に行うことが望ましいです。

例えば新規の業務委託契約であれば、本業務委託契約と同時に秘密保持契約を行い、現実の業務はその後に行うといったタイミングです。

また本契約後に追加で秘密の開示が必要になった際には、その都度秘密保持契約を追加で結ぶのが一般的です。

締結前に口頭で開示された情報も、締結後に文書化して確認することが重要です。締結タイミングを適切に設定することで、事業の円滑な進行と、情報保護の両立が可能となります。

秘密保持契約(NDA)が必要な業種や取引

秘密保持契約は企業同士や企業対個人、あるいは個人同士でも締結が可能で、業種も特に制限はありません。

その上で秘密保持契約がより大きな効果を発揮するのは、業務委託や新製品開発、特許出願など、企業間で機密情報が共有される場面です。

例として、IT業界ではソフトウェア開発やシステム構築などのプロジェクトで、顧客の情報や技術情報が漏洩しないように秘密保持契約が締結されるケースが多く見られます。また、製薬業界では新薬開発や研究開発に関わるデータや技術情報の取り扱いにも活用されます。

さらに、業務委託先の管理体制や取引条件の確認、作業内容の明確化など、契約に必要な事項が記載されることもあります。

秘密保持契約は、企業や個人が自社の知財を守り、第三者に漏洩されるリスクを防止するために重要な役割を果たします。

秘密保持契約(NDA)を締結する際の注意点

秘密保持契約を締結する際には、以下のポイントに注意して契約書を作成しましょう。

  • 機密情報の定義:契約で保護される情報の範囲を具体的に明確化する。
  • 開示目的:情報の利用する目的を明確にし、不正利用を防止する。
  • 保護期間:情報を保持し、秘密を守る期間を設定する。
  • 返還または廃棄義務:契約終了後、相手方が情報を返還もしくは廃棄することを規定する。
  • 違反時の賠償責任:情報漏洩による損害を相手方に賠償させる条件を定める。

なお秘密保持契約はあくまで当事者同士の契約であり、相手方の行動によっては完全なる漏洩の防止を保証できるものではありません。

必要に応じて弁護士や法務担当者と相談し、適切な条項や対応策を検討しましょう。

秘密保持契約(NDA)が不要な場合とは?

秘密保持契約が不要な場合は、以下のようなシチュエーションが考えらえます。

  • 既知の情報や公知の技術:すでに公開されている情報や技術に関しては、秘密保持契約を締結しても効果がありません。
  • 法的義務による開示:法律や規制の要求により、情報を開示する必要がある情報については秘密保持契約の適用外となります。

ただし、一つの業務に複数の企業が関与する場合や、競合企業との取引で情報流出が懸念されるケースでは、秘密保持契約の締結が必要となることもあります

秘密保持契約書(NDA)のメリット

秘密保持契約書(NDA)には以下のようなメリットがあります。

  • 秘密情報の流出防止
  • 漏えい時に損害賠償請求を行いやすくなる
  • 保護する営業秘密の範囲を指定できる
  • 業務上の信頼関係を強化する

これらのメリットにより企業は自社の財産である知財や取引情報を守ることができ、安心して業務を進められます。以下、1つずつ詳しく解説していきます。

秘密情報の流出防止

秘密保持契約(NDA)は、秘密情報の流出防止に大変効果的です。契約を締結することで、相手方に対して情報の取り扱いを明確に指示でき、不正な利用や開示が禁止されます。

また契約期間や情報の返還、破棄に関する条項も設けることができます。

これにより、機密性の高い情報が関与するビジネスシーンにおいても安心して情報交換が行えるようになります。

情報漏洩時に損害賠償請求を行いやすくなる

秘密保持契約(NDA)を行っておくと、これに違反して情報漏えいが発生した場合に損害賠償請求しやすくなるメリットがあります。

仮に秘密保持契約がされていなくても、情報漏えいによって一方が損害を受けた場合には民法の一般不法行為の規定に従って損害賠償請求できる余地はあります。

ただし民法上の損害賠償は実際に発生した損害に対する補填であるため、請求の際は損害額の計算が必要であり、請求も遅れてしまいます。

そこで秘密保持契約において、違反の際の損害賠償金や違約金の額または計算方法などをあらかじめ合意により定めておくことが可能です。この条項を設定することにより、違反行為があった際に実際の損害額の計算を待つことなく相手方に違約金等を請求できることになります。

保護する秘密の範囲を指定できる

秘密保持契約において対象とする秘密の範囲が広いほど、その分だけ受領者側守秘義務が過度に重くなってしまう場合があります。

秘密の保護範囲を明確に指定することは、このような一方的に不利な状況をさけるためにも企業間の取引において重要であり、具体的な範囲指定によって秘密情報の取り扱いが適切に行われ、お互いの安心感や信頼感にもつながります。

業務上の信頼関係を強化する

業務上の信頼関係を強化するためにも秘密保持契約の締結が有効です。

単に一方的でなくお互いの秘密情報を保護して情報漏洩のリスクを防止することで、安心して業務提携や協力が進められます。

さらに、顧客や別の取引先からも信頼される企業として評価されることが期待でき、事業拡大や新たな取引先の開拓に繋がります。

秘密保持契約(NDA)を締結するデメリット

秘密保持契約締結のデメリットの1つは、契約書の作成や管理に時間と労力がかかることです。まず自社で契約書を作成する場合、作成のための労力と時間がかかります。

次に、この契約書が法的に有効かを検証・担保するためには弁護士によるリーガルチェックが有効です。この場合弁護士への相談や申し伝えのための資料作成および整理などの手間がかかるほか、依頼の費用がかかります。

また秘密保持契約の締結によって受領者から第三者への情報開示の範囲が制限されるか、情報共有が遅れることにより受託者の先に繋がる可能性のあるビジネスチャンスを逃すケースもあるかもしれません。

ただしこれらのデメリットは、メリットの裏返しでもあります。適切な秘密保持契約の締結は、信頼関係の強化や情報保護に効果があるためデメリットを上回る価値があると言えるでしょう。

秘密保持契約書(NDA)の主要な条項と記載例

ここからは、秘密保持契約書(NDA)の主要条項とその記載例を紹介していきます。

秘密情報の定義

秘密情報の定義は契約書の基本的な内容であり、明確に定めることが重要です。

定め方は『共同で研究開発する医薬品に関する情報』のように種別や性質によって総合的に指定する方法や、秘密情報を開示する際に個別に指定する方法などがあります。

例えば、秘密情報を開示ごとに細かく指定したい場合は次のような記載の仕方があります。

  1. 甲および乙は、自らが本検討に必要と判断する技術上・営業上の情報、サンプル等を相手方に開示または提供する。
  2. 甲および乙は、情報を相手方に開示または提供する場合、秘密である旨の表示を行う。

このように定めることで、必要に応じて秘密情報を個別的に柔軟に開示することができます。

併せて、次のように秘密情報の廃棄や返還についての条項を定めるのも一般的です。

  1. 契約終了時、受領者は関連法令に反しない限り、秘密情報として指定された文書、データ媒体について、複製物も含めて速やかに返還または破棄(電磁記録がある場合は、完全な削除を含む)を行い、本業務の履行を証明する文書を提出する。

守秘義務の範囲や取り扱いについては具体的な指針が記載されていることが望ましく、相手方としても明確なルールが提示されることでトラブル防止に繋がります。

秘密保持義務および目的外利用の禁止

秘密保持義務とは、企業間の取引や業務委託などで、相手方が開示する秘密情報を第三者に漏らさないようにするための基本的な条項の1つです。

例文は次のとおりです。

  1. 甲および乙は、契約期間中に知り得た相手方の秘密情報若しくは個人情報を厳に秘密に保持し、理由、目的の如何を問わず相手方の事前の書面承諾なく第三者に開示、漏えいまたは示唆等してはならず、本契約の遂行以外の目的には一切使用しない。

またグループ会社で共同事業を行う場合などは、それぞれの企業に秘密保持義務を課すため次のように記載することがあります。

  1. 甲は、本検討の目的を遂行するに必要な限り、自己の親会社、兄弟会社、子会社に秘密情報を開示・提供することができる。ただし、甲は本契約に基づき自己が負う義務と同一の義務を当該関係会社に課すとともに、当該関係会社の秘密保持義務につき一切の責任を負う。親会社、兄弟会社、子会社の定義は会社法の定めに従う。

秘密保持義務を明確に規定し、契約書に記載することで、双方が安心して情報を共有できるようになります。

損害賠償・差止め

損害賠償や差止めは、秘密保持義務違反の対応策として記載します。

例文は次のとおりです。

  1. 甲または乙が本契約に違反したことにより、秘密情報若しくは個人情報が漏えいし、相手方又は第三者に損害が生じた場合、違反した当事者はその損害を賠償しなければならない。

続いて、損害賠償の範囲や上限額について定める場合は、次のように記載することも可能です。

  1. 甲または乙が相手方に対して負担する損害賠償の総額は、当該損害が甲または乙の故意または重過失に基づく場合を除き、帰責事由の原因となった個別契約に記載の委託料の1年分相当額を限度とする。

損害賠償額の設定には、具体的な損害の金額や損害発生の可能性を考慮することが重要で、適切かつ明確に設定することで両者間での紛争の可能性を低下させる効果が期待できます。

有効期間・存続条項

有効期間は、一例として次のように記載します。

  1. 本契約の有効期間は、令和6年10月1日から令和7年9月30日までとする。なお、甲および乙は、書面または電磁的記録による合意の上、有効期間を延長または短縮することができる。
  2. 前項の規定に関わらず、〇条に定める秘密保持の規定は、本契約終了後も5年間有効に存続する。

本契約の有効期間のほか、2に示すように秘密保持の残存期間を定めるケースも一般的です。

情報の価値は、時間の経過とともに低くなるため、実務上は3~5年の間で残存期間を定めるケースが多いですが、秘密情報の価値や重要性等によって柔軟な設定が必要です。

紛争解決条項

紛争解決条項とは、トラブルや紛争が発生に備えて準拠法や管轄裁判所を規定しておく条項です。

一例として、裁判所についての合意は次のように記載します。

  1. 甲および乙は、本契約における一切の紛争(調停、和解等の裁判手続きも含む)について第1審専属的合意管轄裁判書を東京地方裁判所とすることに合意する。

裁判所の管轄はいずれかの当事者の住所地または本店所在地のほか、義務の履行地等が指定できますが、このように合意によって第一審の裁判所を定めておくことが可能です。

知的財産権の取り扱い

契約において知的財産権の取り扱いは非常に重要な項目であり、記載例は次のとおりです。

  1. 甲及び乙はいずれも、相手方の機密情報に依拠して発明、考案、著作物その他の知的財産の目的となるものを得た場合には、相手方に対し速やかに通知し、当該発明等に関する知的財産権の帰属および取扱いを協議の上決定するものとする
  2. 次の各号のいずれかに該当する発明等に係る知的財産権は、その発明をなした当事者に単独で帰属するものとする。
    (1)各当事者が本契約締結前から保有するもの
    (2)各当事者が本契約による業務を遂行する過程で、相手方の秘密情報に依拠せず独自に創作、開発、取得したもの

知的財産の取得・使用・管理の方法は明確に記載し、適切な対応ができるように契約書に定めましょう。

秘密保持契約(NDA)を締結しない場合のリスク

秘密保持契約を締結しない場合のリスクは、情報漏えいの可能性が高くなる点と、漏えいがあった際の損害賠償請求が難しくなる点が挙げられます。

情報漏えいのリスクが高くなる

近年ではSNSの発展等により、情報についてのコンプライアンス意識の低下は社会的な問題にもなっています。

そこで秘密保持契約によって企業間の秘密を明確にして違反の際のペナルティを互いに確認することで、釘を差す効果が期待できます。

漏えいされる情報によっては、次のような損害が上乗せされるリスクも高まります。

  • 知的財産権の損失::情報漏洩によって、特許や商標などの知的財産権が侵害される危険性があり、その結果として企業の資産価値が低下する
  • 営業秘密の喪失::企業独自の技術や営業戦略などが第三者に知られることで、競合他社に利用される危険性が高まり、収益の減少や事業の機会損失が発生する。
  • 顧客情報の漏洩::取引先や顧客から預かった個人情報が第三者に漏れることで、信用失墜や法的なトラブルが発生する可能性があります。

権利の保護や損害賠償請求が難しくなる

仮に秘密保持契約を行わない状態で相手方による秘密の漏えいがあった場合、民事としての損害賠償請求が可能かどうかがポイントになります。

民法では一般不法行為として損害賠償の規定があるため、秘密漏えいによりって実際に損害が発生した場合には、損害額を相手方に請求できると考えられます。

しかし、漏えいによる実際の被害額を計算するのは容易ではなく、揉めれば相手方と訴訟に発展するケースも充分に考えられます。こうなると、損害賠償は訴訟手続が終わるまで回収できませんし、また本来の損害額より回収額が小さくなるケースも考えられます。

これに対し、秘密保持契約を行って秘密の範囲を明確にし、漏えいの際の賠償金の額や支払い方法等を定めておけば、漏えいの事実があった際には本契約を根拠として定めておいた賠償金を比較的容易に請求できます。

この場合でも揉めた末に訴訟になるリスクはゼロではありませんが、秘密保持契約を行っていない場合と比較して格段に権利や財産を保護しやすくなります。

このように、リスクを防ぐためには秘密保持契約を適切に締結し、情報管理に気を付けることが大切です。

リスク回避のポイント

契約を締結する際のリスク回避のポイントは、何より秘密保持契約を結ぶことが重要です。

秘密保持契約の締結により、相手方に対して契約内容を第三者に漏らさないよう義務付けることが可能となります。

契約書を作成する際は以下のポイントに注意して進めることが望ましいです。

  • 契約内容の確認:契約書の内容を丁寧にチェックし、不明確な点や疑問がないか確認しましょう。
  • 電子署名の利用: 契約書には電子署名を用いることで、煩わしい手続きを簡略化できます。
  • 個人情報保護:企業間の取引において、従業員や顧客の個人情報保護の規定や取り扱いに関する注意が必要です。
  • 弁護士にリーガルチェックを依頼する:企業法務に強い弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼することで、質の高いアドバイスを受けられ、契約ごとの個別的な注意点やリスクを確認できます。

相手方がサインを拒否する場合の対処法

情報開示側が用意した秘密保持契約に対しては、相手方がサインを拒否するケースが考えられます。

その場合の対処としては、次のような方法があります。

  • 契約内容の見直し:相手が納得できる内容に柔軟に変更する。
  • 再度説明::契約に関する誤解がないか、クリアになるよう丁寧に説明して反応を確認します。
  • 継続的な交渉::即座に結果を求めず、相手に時間を与えつつ話し合いを継続していきます。
  • 弁護士に依頼:第三者である弁護士が相手方に説明する、または間に入って交渉することにより契約が進む場合があります。

法的リスクを慎重に判断し、円滑な契約締結を目指しましょう。

秘密保持契約書(NDA)の電子契約について

現代のビジネスでは電子契約が多くの場面で利用されており、秘密保持契約も電子契約で締結することが可能となっています。

以下では、電子契約の有効性やメリットについてより詳しく解説していきます。

電子契約の有効性

電子契約の有効性は、法律的に認められています。

ただし、電子契約の効力や証拠能力を確保するためにはいくつかのポイントに注意する必要があります。

例えば、契約の内容や条項が明記されていること、修正を繰り返す際にデータを取り違えないこと、誤って破棄されないようデータを管理する必要があること、適切な電子署名システムを利用して改ざんされない形式であることなどが挙げられます。

電子署名は印鑑と同様の意味があり、これらの要件を満たす電子契約は書面での契約と同様に契約を行った証拠としての効力があります。

電子契約のメリット

電子契約のメリットは、まず手続きが簡単で時間を節約できることが挙げられます。契約書の作成や変更、署名がオンラインでできるため、郵送の費用や手間も省けます。

また書類と比較して管理が容易です。電子化した契約書はクラウドストレージなどに保管でき、紛失や漏洩のリスクを低減しながら、必要な時にすぐにアクセスできます。

さらに、紙を使用しないため環境に優しいというメリットがあります。

電子契約はこのようにビジネスの効率化に繋がります。

電子契約の締結方法

電子契約の一般的な締結方法は、契約書を電子データで作成し当事者が電子署名を行う方式によります。

電子署名には様々な方法がありますが、各種電子証明書の提供機関によって電子証明書を発行しておき、パスワード認証や指紋認証によって電子証明書を付与する方法が一般的です。

個人ではマイナンバーカードを利用して電子署名を行うことも可能です。

電子契約時の法的リスク

電子契約には、データであるためのリスクがあります。

たとえば誤ってデータを削除してしまったり、第三者による不正アクセスによって情報漏えいするようなケースです。

これらの法的リスクへの対策が整っていれば、電子契約は安心して利用できる手段となります。

電子契約の導入を検討する場合は、ぜひ専門家と相談して適切な対策を取ることをお勧めします。今後ますます普及が進む電子契約を上手に活用し、業務効率を向上させましょう。

秘密保持契約は収入印紙不要

秘密保持契約書は、単独では印紙税法における課税文書に該当しないため、書面によって契約する場合には収入印紙の貼付は不要です。

ただし、単独の秘密保持契約書を作成せず、業務委託契約書等に秘密保持条項を追加するのみの場合などは、本業務委託契約書が課税対象となって印紙が必要となるケースもあるため注意が必要です。

まとめ

本記事では秘密保持契約について解説しました。

秘密保持契約は、当事者の権利を守り無用なトラブルを避けるために非常に大切な契約です。

契約書のひな形はインターネット上でも入手できますが、記載例のように実際の事例に当てはめて作成するのは難しいと感じるかもしれません。

そのような場合、秘密保持契約書は企業法務に強い弁護士によるリーガルチェックを受けるのがおすすめです。

弁護士であれば、契約書を個別の事案に合わせた内容に最適化することが可能です。契約の相手方としても信頼感につながり、安心して業務を進める手助けになるでしょう。

法務救済では、企業法務に強い弁護士を紹介しております。ぜひ本サービスを利用しリスクの回避とビジネスの成功につなげてください。

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