業務委託契約の成功の秘訣とは?契約書作成の基本から注意点を徹底解説
商取引・契約法務
2024.09.30 ー 2024.11.16 更新
この記事では、業務委託の基本的な考え方と契約書を作成する際の要素に加え、リスク回避のための具体的なアドバイスまで幅広く解説しています。
記事の内容は、企業の経営者や業務の発注担当者、法務関連の職業に従事している方々にも役立ちます。ぜひ最後まで読んで業務委託契約書作成への一歩を踏み出しましょう。
業務委託契約書とは
業務委託契約書とは、ある企業や個人事業主(フリーランス)が他の企業や個人に業務を委託する際の契約書です。
具体的には、委託する業務の範囲、報酬や納期、契約期間、解除条件や秘密保持、損害賠償や違約金など、双方が合意すべき事項を明記した書類となります。
契約書は、民法や労働法などの法律に準拠するよう作成し、双方の権利や責任を明確に記載することで、トラブルの防止や円滑な業務提供を可能にします。
企業法務において特に新規事業を行う際や大口の取引を行う際には、弁護士によるリーガルチェックを受けることも重要です。
業務委託契約書の記載事項や作成する際のポイントは、後ほど解説していきます。
業務委託契約とは
業務委託契約とは、企業や個人が業務の遂行を他の事業者や個人に依頼する形態の契約です。受託者は報酬をもらい、独立した立場で業務を遂行します。
業務委託契約には、以下の種類があります。
- 委任契約:法律行為(契約等)の遂行を受託者に任せる契約
- 準委任契約:事実行為(事務等)の遂行を受託者に任せる契約
業務委託契約は労働契約と異なり、受託者は雇用されずに独立した業務提供者として働くため、労働者保護法や社会保険の適用がありません。
一方、メリットとしては、自由度の高さや報酬の柔軟性が挙げられます。また必要分のみを発注することにより、業務の効率化や専門知識の活用が可能となります。
業務委託契約を結ぶ際には、契約内容の確認や契約書の作成が不可欠です。
業務委託契約を締結する目的・理由
業務委託契約を締結する目的や理由は、以下のようなものが挙げられます。
- 専門的な知識やスキルを持つ人材の活用
- コストの削減やリソースの最適化
- 事業の効率化
- 柔軟な組織運営やスピード感のある事業展開
業務委託契約における受注者は、雇用による労働者ではなく事業者として扱われるため、労働法に基づく様々な管理や責任が発生しません。
これにより、企業は柔軟に業務を組織外に委託することが可能となり、業務資源の最適化が実現できます。
発注者において専門外の業務や短期的なプロジェクトなど、内部リソースでは対応が難しい場合に、業務委託契約を活用することで業務の効率化に繋がります。
業務委託契約を適切に結ぶためには、以下の点に注意が必要です。
- 契約内容を明確にし、トラブルを防止すること
- 偽装請負の禁止や労働法などの法令遵守
- 納期や成果物の検収に関するルールの設定
注意点については後ほどさらに詳しく解説していきます。
業務委託契約書を作成するタイミング
業務委託契約書の作成タイミングは、基本的に業務を依頼することが決まった時点であり、業務開始前に行うべきです。
トラブルを回避するためには、業務の目的や内容、範囲、期間、報酬額および支払いのタイミング、検収手続きなどの具体的な事項を決定することが求められるためです。
仮に契約書がない場合や書き方が曖昧な場合には、法律上の損害賠償責任や民法に基づく法的責任が曖昧となり、トラブル発生時の解決が難しくなります。
なお、契約書作成時には印鑑や印紙についても注意が必要です。一定金額以上の報酬が発生する場合、業務委託契約書が印紙税法における課税文書に該当し印紙税が発生する場合があるためです。
近年では電子契約も増えてきており、状況に応じて選択する必要があるでしょう。
契約書は、当事者間の合意内容を正確に反映した文書であることが重要です。ひな形やテンプレートを参考にしながら、個別の事情に合わせて適切な内容を記載しましょう。
業務委託契約の種類
業務委託契約には、次の種類のものがあります。
- 請負契約
- 委任契約
- 準委任契約
これらの契約の違いを、1つずつ解説していきます。
請負契約
請負契約とは、当事者の一方が依頼された仕事を完成させ、相手方がその完成物の引渡しを受けて報酬を支払う契約です(民法632条)。
以下に、請負契約に関する具体例やメリット・デメリット、注意事項を簡単に解説します。
- 具体例 : 注文住宅の建築や工事、プログラムやアプリ開発、部品の製造など、成果物を完成させて引き渡す旨の契約など
- メリット : コストの削減と、質の高い完成品を得られる
- デメリット : 完成物の品質が悪いケースや納期違反など、損害賠償責任が発生する場合がある
発注者は、自社では不可能またはコストがかかりすぎる仕事について、専門の相手方に依頼することで完成物を得られます。受注者は、自社の専門分野について効率化を図ることでコストを抑えられ、収入を確保できます。
請負契約における報酬の支払いタイミングは原則として完成物の引き渡しと同時に行わなければならないと民法で規定されていますが、特約によって変更が可能です。
例えば、完成品の検収手続きを経てから報酬を支払う旨の特約条項を設ける場合や、業務開始前に着手金を支払って、のちに不足分の報酬を支払うようなケースも一般的です。
請負契約はあくまで契約の一種であるため、クーリングオフ制度による解約も適用可能です。ただし、クーリングオフの条件となる訪問販売や電話勧誘等によって請負契約を行うケース自体がほとんどないためクーリングオフが適用される場面は限定的になるでしょう。
委任契約
委任契約とは、当事者の一方が相手方に対して、特定の契約等の法律行為を委託して、その業務を遂行することを内容とする契約です。
前述した請負契約では仕事の完成物と報酬が引き換えになるのに対し、委任契約では完成物ではなく業務の遂行そのものを依頼対象とします。
委任契約に関する具体例、メリット・デメリットは以下のとおりです。
- 具体例 : 不動産を売却したい際に買主を不動産会社に探してもらう契約や、社会保険労務士による社会保険手続き、税理士による税務申告など
- メリット : 請負と同様、委任する側は自らが得意でない業務や手間のかかる業務を他者に委託することによって、コストを減らせる
- デメリット : 委任を受ける側がミスをした場合、損害賠償責任が発生することがある
委任契約は典型契約の一種であり、契約の際の報告義務や費用の前払い、契約の解除等の一般条項が民法で定められています。さらに、民法上は無報酬が原則であるため報酬を発生させる場合は必ず報酬を定めて契約を行わなければなりません。
委任契約の締結にあたっては、具体的な業務範囲や報酬額、期間のほか、解除条件や秘密保持に関する事項などを書面に記載し、双方が同意する形で進めることが大切です。
準委任契約
準委任契約は、一定の事実行為を遂行することを目的とした契約です。
事実行為とは、事務や特定のサービス等のことです。委任契約においては売買契約や税申告あるいは登記等の法律行為が対象であるのに対し、準委任では事務作業やサービス等が対象となります。
以下、準委任契約に関する具体例やメリット・デメリット、注意事項を解説していきます。
- 具体例 : 個別指導塾や家庭教師サービス、事務作業の委託など
- メリット : 発注者は目的の達成に専門的な知識がある人に業務を頼むことができ、受託者は報酬を得られる
- デメリット : 受託者の責任範囲が曖昧になることがあり、損害賠償責任が発生する場合もあります。
契約書には、業務内容や報酬額、検収条件などを明記し双方が納得できる内容にする必要があります。トラブルがあった際の責任の範囲も、双方が把握しておくべき重要なポイントです。
業務委託契約と雇用契約の違い
業務委託契約と雇用契約は、どちらも他者に仕事を依頼する形態ですが、その性質には大きな違いがあります。主な違いは以下の3点です。
- 指揮命令権 : 雇用契約では使用者が指揮命令権を持つが、業務委託契約では原則として対等な立場で受託者が自主的に業務を遂行する。
- 賃金・報酬 : 雇用契約では労働者に賃金が支払われ、業務委託契約では報酬が支払われ事業収入となる。かかる税金にも違いが出る。
- 労働時間・休業日 : 雇用契約では労働時間の上限やや休業日が定められている。業務委託契約では労働時間や休業日に関する規定はない。
雇用契約においては労働法が適用され、業務委託契約と雇用契約は法律上異なる労働形態として取り扱われます。
業務委託契約のメリットとデメリット
業務委託契約は、企業が外部の専門家や他の会社に特定の業務を依頼する契約形態で、柔軟な労働力の活用が可能です。
メリットとして、労働管理や人件費のコスト削減が挙げられます。また、専門知識を持つプロフェッショナルを活用することで、質の高いサービスを得られます。
一方でデメリットは、受託者のスキルや業務への理解度によってはクオリティが低下したり、進捗が遅れたりする可能性があることです。また、機密情報や知的財産の管理が難しくなるケースもあります。
雇用契約における法的義務
雇用契約においては労働法が適用されます。
使用者は、雇用契約に従って労働者に対して給与を支払い、安全で健康的な労働環境を提供する義務があります。
また使用者は各種社会保険、雇用保険への加入義務があり、保険料を支払わなければなりません。
労働者は、雇用者から与えられた業務を適切に遂行する義務があります。また、職場での秘密保持や職務に忠実に努めなければなりません。
偽装請負に注意するポイント
偽装請負とは、形式上は請負契約として仕事を発注しながら、実際には雇用と同じような労働条件で働かせる行為です。
前述のとおり、請負契約においては雇用契約と違って各種社会保険への加入義務はありません。
そこで請負契約の形式をとって雇用契約のように受託者を拘束し、命令指揮によって働かせることができれば、発注者としては保険料がかからず低コストで業務を行わせることができるわけです。ただし、これは違法行為です。
請負や委任の形式で仕事を受託する個人事業主は、以下のポイントに注意して契約を確認し、偽装請負を回避しましょう。
- 業務の指示・命令・監督が発注者によって行われていないか
- 受託者が発注者の職場に行かず、独立して業務を遂行できる契約か
- 受託者による独自のノウハウや技術の提供か
- 受託者の報酬が業務成果に基づいて支払われる契約か
業務委託においても時給制は可能ですが、これらのポイントを把握し契約内容や実際の業務遂行状況を適切に管理することで、偽装請負のリスクを減らすことができます。
契約の違いと選び方
業務を他者に遂行させる場合、まずは労働契約か業務委託かの選択をすることになるでしょう。
労働契約とは、従業員が使用者による労働に従事することを目的とした契約です。従業員は使用者から報酬を受け取り、指定された業務を行います。
労働契約においては指揮系統が使用者にあり、基本的に従業員は使用者の指示に従い業務を遂行するのが特徴です。
また労働法(労働基準法、労働組合法、労働関係調整法)が適用されるため、自由に解雇するわけには行かず、各種保険の加入等も必要になります。
これに対し、請負、委任、準委任はそれぞれ業務委託でありいわゆる外注形式です。請負、委任、準委任のいずれを選択するかは、契約の目的(対象物)によって自動的に定まります。
基本的な方向性としては、自社内で業務を継続的に展開していきたい場合には雇用契約が向いており、単発の業務や自社の専門外の業務を行いたい場合にはいずれかの業務委託形式の契約を選択することになるでしょう。
金銭的および時間的に効率よく業務を進めるには、それぞれの違いを理解して選択することが大切です。
業務委託契約書に記載する内容
業務委託契約書には、以下の項目を記載することが基本です。
- 契約の名称、期間等の契約の基盤となる事項
- 仕事内容、成果物についての事項
- 報酬・損害金などの金銭についての事項
- 総則的な事項
これらの大枠について、以下で詳しく解説していきます。
業務の名称、期間等の契約の基盤となる事項
業務委託契約書には、初めに以下のような基礎的な事項を記載します。
- 契約の名称
- 履行場所
- 履行期間
- 業務委託料および税金
- 契約保証金
- 調停人
- 契約日
- 発注者
- 受注者
調停人とは、トラブルになった際の仲立ち人のことです。保証金や調停人は定めない場合もあります。
契約日、発注者、受注者の欄については空白で作成しておき、契約内容の確認後に当事者双方が署名・押印等を行う方法が一般的です。
契約書は2通作成し原本を双方が保管することで、改変などのトラブルを防止することに繋がります。
契約の名称は一例として、〇〇様新築住宅建築請負契約等と具体的に記載します。
仕事内容、成果物についての事項
業務委託契約では、仕事の内容や成果物について詳細に定める必要があります。
主に定めるべき事項として以下のような項目があります。
- 業務委託の仕様書や設計図等がある場合、当該書類の指定
- 成果物の検収時期、検収方法
- 仕様書と業務内容が一致しない場合の修補義務や補償等
- 指示・請求・報告・質問および回答などの指示系統の確認
- 成果物の著作権、知的財産権についての事項
- 成果物の変更、業務の中断・中止の条件等
- 履行期間の短縮または延長の請求について
完成物を納品する請負契約では、業務の開始後に成果物の仕様変更や業務内容の変更が必要になる場合が少なくありません。
そのようなケースに対応できるよう、仕様変更や報酬変更条件、計算等をあらかじめ定めておくとトラブル防止につながります。
報酬・損害金等、金銭についての事項
業務委託契約については、契約にかかる金銭について下記のような項目を定めます。
- 報酬の支払いタイミングまたは支払い方法、手数料の負担
- 業務に関わる経費、貸与品等に関する事項
- 一般の損害や第三者に損害を与えた際の賠償等に関する事項
- 保証、保険に関する事項
- 印紙税等の税の負担について
- 履行遅滞の際の遅延損害金
- 現物や外貨、電子マネー等が報酬である場合にはその区別と基準レート等
金銭についてはトラブルになりやすい部分のため、互いに納得できるよう詳細に定めておくとよいでしょう。
総則的な事項
業務委託契約においては、次のような総則的な項目をも定めておくことも一般的です。
- 秘密保持に関する事項
- 契約の変更、業務の中断・中止の条件等
- トラブルになった際の解決方法や仲介人等
- 契約外のことが起こった場合の対処法
- 使用言語
- 準拠法
- 訴訟や調停等を行う場合の管轄裁判所の合意
契約の中断・中止や、秘密保持に関する事項は必ず定めておきましょう。
業務委託契約書の委託側(作成者)が注意するポイント
業務委託契約を締結する際、委託側として最も重要なのは予算内かつ予定の期限内で目的の成果が得られることでしょう。
そのため委託側が契約書作成において注意すべきポイントは次のとおりです。
- 業務委託の内容、成果物
- 報酬の計算
- 中途解約、契約内容の変更条件、その際の損害賠償等
- 知的財産権の帰属
- 秘密保持に関する規定を明示
まず、委託業務の内容や成果物および報酬の計算や契約の変更条件等を明確に記載することが重要です。
また、本契約の終了後に著作権等による損害を被らないよう、秘密保持や著作権の帰属について明記しておく必要があります。
業務委託契約書の受託側(受注者)が注意するポイント
業務委託契約を締結する際受託側(受注者)として最も重要なポイントは、報酬の確実な受け取りと不測の損害賠償の回避となるでしょう。
注意すべきポイントは以下の通りです。
- 報酬、着手金、中間金の額および支払いタイミング
- 検収条件
- 中途解約された際の、着手分の報酬額や条件
- 労働基準法や社会保険に関する規定に照らし、雇用されていないことを明示
- 事故があった場合等の補償や賠償に関する事項
業務委託においては、検収の結果等により業務が増える場合もあり、業務にかかるコストが計算しにくい状態にあります。
例えば納品後に繰り返し成果物の修正や補修作業を請求されてしまうと、過度な負担を負って費用倒れになる可能性もあります。
このような事態にならぬよう、検収や修補の条件およびその際の追加報酬の定め等は詳細に確認しておきましょう。
契約内容を十分に理解し、適切な報酬や期間を設定しておくことで、受託側が不利益を被ることを避けられます。
業務委託契約書に収入印紙は必要?
業務委託契約書に収入印紙が必要かどうかは契約内容や契約金額により異なります。
請負契約の場合『請負に関する契約書』に該当し、印紙税額は次の表のとおりです。契約金額1万円以上(100万円以下)で200円、契約金額が50億円を超える場合は最大で60万円が印紙税となります。
記載された金額 | 印紙税額 |
1万円未満のもの | 非課税 |
1万円以上100万円以下のもの | 200円 |
100万円を超え200万円以下のもの | 400円 |
200万円を超え300万円以下のもの | 1,000円 |
300万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 |
500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 |
1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 |
5,000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 |
5億円を超え10億円以下のもの | 20万円 |
10億円を超え50億円以下のもの | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7102.htm
印紙税に関する特例
業務委託形式での契約であっても、次のようなケースでは印紙税が変わる場合があるため注意が必要です。
- 印紙税法上の『継続的取引の基本となる契約書』に該当する場合、一律4,000円が印紙税となる
- 公益社団・財団法人、弁護士、司法書士業など特定の法人・業種についての業務は印紙税法上の『営業』にあたらず非課税の措置がある
- 不動産の譲渡、建設工事の請負に関しては、令和9年3月31日まで軽減措置が適用される(期間満了後も更新される可能性あり)
- 東日本大震災など被災者に関する税制上の措置が運用されており、新たに自然災害が発生した地域においても同様に適用される場合がある
請負に関する契約書の場合
請負契約書の場合、収入印紙の必要性は報酬額によります。請負契約とは、ある業務や仕事の完成を引き受ける形で、受託者が報酬を受け取る契約です。
報酬が10万円以上で1年以内に完結する契約の場合、200円の収入印紙が必要です。ただし、電子契約を行う場合、収入印紙は不要です。
請負契約書を作成する際には、契約内容や報酬の金額を明確に記載し、収入印紙の貼付の有無にも注意しましょう。
継続的取引の基本となる契約書の場合
継続的取引の基本となる契約書の場合、収入印紙の必要性は契約内容や報酬額によって異なります。
例えば、1年間にわたる定期的なサービス提供や民間企業との取引を定めた契約書の場合、報酬が一定額を超えると収入印紙が必要になります。具体的には報酬が10万円超で1年以内に完結する場合、200円の収入印紙を貼る必要があります。
継続的取引の基本契約書を作成するときには、契約内容や報酬の金額を明確にし、収入印紙貼付の有無にも留意しましょう。
電子契約書に収入印紙は不要
契約を『紙』の契約書ではなく『データ』による電子契約書で作成した場合、印紙税法上の課税文書には該当せず、収入印紙を貼付する必要はありません。
電子契約書を利用することで、紙の契約書のように収入印紙を購入して貼り付ける手間が省けます。
また、電子契約書は紛失や破損の心配が少なく、保管や管理が容易です。さらに、契約の締結や内容の変更がスピーディーに行える点もメリットです。
収入印紙代の負担はどちらがする?
業務委託契約を行う場合、実質的に当事者双方が折半して収入印紙代を負担するのが一般的です。
印紙税法上は、原則として課税文書(契約書)の作成者が負担するとされており、共同で作成した場合には双方が負担する義務があると定められています。
税務署としては印紙税を回収できればよいため、負担者をどちらに定めても問題ありませんし、当事者同士では報酬額による調整もできるでしょう。
トラブル回避のためには、負担者を明確にして契約書に記載しましょう。
業務委託契約書の雛形・テンプレート
業務委託契約書の作成にあたって、雛形やテンプレートがインターネット上で多く公開されています。
テンプレートのダウンロード方法
業務委託契約書のテンプレートは、インターネット上で無料で提供されているものも多くあり、記載例が確認できます。
以下の方法でダウンロードし、 自分に合ったものをカスタマイズして利用しましょう。
- 法務省や国土交通省等の公的はホームページを利用する
- 法務や契約に関する専門サイトで検索
- クラウド型会計ソフトや事業向けサービスのサイトでテンプレートを提供していることも多いので活用
- 学習ポータルサイトや起業支援サービスのページでリンクを探す
無料のテンプレートを利用する際の注意点
契約内容や条件は個々のケースに応じて異なるため、雛形やテンプレートをそのまま使用すると、自身の事業に合った内容にならない場合や法的な有効性が見落とされる場合もあります。
基本的には叩き台として利用し、実際の契約に合わせて内容を慎重に見直すためには、弁護士によるリーガルチェックを受けるという使い方が良いでしょう。
業務委託契約書についてご不明な点があれば、弁護士への相談をご検討ください。
法務急済運営事務局
株式会社WEBYの法務急済運営事務局。全国400以上の弁護士・司法書士のWEBマーケティング支援に従事。これまでに法律ジャンルの記事執筆・編集を1000記事以上担当。WEBコンサルやHP制作、SEO対策、LMC(ローカルマップコントロール)など様々な支援を通じて法律業界に精通。これらの経験を基に企業法務の際に必要な情報や適切な弁護士・司法書士を紹介している。
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