企業法務弁護士の選び方とは?業務内容や法律事務所を選ぶ際のポイントを解説
企業法務
2024.12.01 ー 2024.12.04 更新
企業法務弁護士は、企業の法的リスクを管理し、経営戦略を法的観点からサポートする専門家です。彼らの役割は、企業活動における法的問題の予防や解決し企業価値の向上に貢献することにあります。近年、ビジネス環境の複雑化や法規制の厳格化に伴い、その需要は年々高まっています。
企業法務弁護士は、契約書の作成や確認、M&Aや事業再編のサポート、労務問題への対応、知的財産権の保護など、幅広い業務を担当します。また企業のコンプライアンス体制の構築やリスクマネジメントの強化にも携わります。
また、特に法務部を持たない経営者にとっては力強い味方であり、事業に対して法的アドバイスを提供して意思決定をサポートする重要な役割も果たします。
弁護士等の専門士業の協力は、企業が法的リスクを最小限に抑えつつ、ビジネスチャンスを最大限に活かすための貴重な戦力となります。
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企業法務弁護士は、企業の法的問題を包括的に扱う専門家です。企業とは一般的に営利目的で事業を行う団体を指し、株式会社だけでなく合同会社等の持分会社や個人企業も含みます。
企業法務弁護士には、企業内で業務を行う企業内弁護士(インハウスローヤー)と、外部委託によって業務を行う顧問弁護士の2種類があります。
どちらの場合も役割は多岐にわたり、企業活動の様々な局面で重要な存在となっています。具体的な例としては、法的リスクの分析と対策立案、契約書の作成や確認、労務問題への対応、知的財産権の保護、M&Aや事業再編に関する法的助言などが挙げられます。
場合によっては、日常的な法務業務だけでなく、企業の戦略的意思決定にも深く関与します。例えば、新規事業展開時の法的リスク評価や、他社との提携における法的側面の検討などです。また企業が直面する法的紛争や訴訟に対しても、適切な対応策を講じる役割を担います。
さらに、企業のコンプライアンス体制の構築や維持にも貢献します。法令遵守の徹底や、社内規程の整備、従業員教育などを通じて、企業の健全な経営を支援します。近年では、データ保護やサイバーセキュリティなど、新たな法的課題への対応も求められています。
企業法務弁護士の役割は、単なる法的問題の解決にとどまらず、企業の持続的成長と価値向上を法的側面から支える重要な存在といえるでしょう。
企業経営における企業法務弁護士の重要性
企業法務弁護士は、現代のビジネス環境において不可欠な存在となっています。
中小企業にとっては、事業の拡大や法的紛争の解決または事業承継等の場合にも弁護士による法務が必要となるケースが多いでしょう。
外国人労働者の増加やグローバル化が進む中で、国際取引や海外進出に関する法的課題への対応が求められており、企業法務弁護士の専門知識や経験が重要な役割を果たしています。
企業の社会的責任の重要性が増す中、コンプライアンスの強化や倫理的な経営判断をサポートする上でも企業法務弁護士の存在は欠かせないものになるでしょう。
企業法務弁護士は、M&Aや事業再編、知的財産権の保護、労務問題の解決など、企業の成長戦略や競争力強化に直結する分野においても重要な役割を担っています。
法的リスクを最小限に抑えつつ、企業価値を最大化するための助言や支援を提供することで、経営者の意思決定をバックアップする役割を果たします。。
企業法務とは?3つの法務分野と具体例
企業法務とは、企業活動に関連する法的問題を全面的に扱う分野です。業務のタイプに応じて予防法務、戦略法務、臨床法務の3つに分類されます。
予防法務は、将来起こりうる法的リスクを事前に回避するための取り組みです。コンプライアンス体制の整備や、契約書の作成・チェックなどが具体例として挙げられます。
戦略法務は、企業の経営戦略や事業展開に法的な観点からサポートを行う分野です。M&Aや新規事業の立ち上げ、知的財産戦略の策定などが含まれます。臨床法務は、実際に企業が直面している具体的な法的問題に対処する分野です。例えば、取引先とのトラブルや従業員との労働紛争などが該当します。
以下、これらの違いについてさらに詳しく解説していきます。
予防法務の重要性とリスクを回避する方法
予防法務は企業にとって重要なリスク管理手法の一つで、法的トラブルを未然に防ぐことで企業の安定した経営を支援します。
具体的には、社内規程や契約書の定期的な見直しが挙げられます。法改正や社会情勢の変化に合わせて適切に更新することで、従業員とのトラブルや取引先との法的なトラブルのリスクを最小限に抑えられます。
また、従業員向けのコンプライアンス研修も予防法務として効果的です。法令遵守の重要性を理解してもらい日常業務での注意点を周知することで、パワハラやセクハラなどの社内の問題や取引先との問題の発生を防ぎます。
新規事業や取引開始前には、リーガルチェックによって潜在的なリスクを洗い出すことで、将来的なトラブルを回避できます。
企業法務弁護士は、これらの予防法務活動を専門的な知識と経験を活かしてサポートします。
戦略法務が企業成長に与える影響
戦略法務とは、積極的な事業展開のサポートや関連法令のチェック等を行う企業法務です。
おおまかには新規事業の立ち上げやM&A、海外進出、知的財産権の活用、新製品の開発・販売等において行う等の法的なサポート業務を差します。
例えば、M&Aにおいては事前調査に始まり、基本契約の締結や法的デューデリジェンスと契約交渉、知的財産戦略の策定と実行などが法務として挙げられます。
弁護士等の専門家による法務のサポートは、企業の成長にとって重要な役割を果たします。
臨床法務の役割
臨床法務とは、現に起こっているトラブルや法的紛争を解決するための法務を指します。
具体例としては取引先とトラブル、会社対従業員の労務に関する紛争、社内のパワハラ・セクハラ、行政処分に対する対応などが挙げられます。近年ではSNSの普及により、名誉毀損や営業妨害、個人情報の流出等のトラブルに関する法的な対応も臨床法務に含まれます。
こうした訴訟や紛争の解決においては、相手方との交渉や、ケースによっては社会に対する謝罪対応なども必要となるため、専門弁護士による助力の必要性は高くなるでしょう。
企業法務弁護士による臨床法務は、企業の安定した成長と発展を支える重要な存在となっています。
企業法務弁護士の主な業務内容
企業法務弁護士の業務内容は多岐にわたり、法的リスク管理や経営戦略の支援を行います。
具体的には、契約書の作成や確認、M&Aや事業承継に関する法的アドバイス、労務問題への対応、知的財産権の保護などが挙げられます。また、株主総会や取締役会の運用など企業の日常的な法務にも対応し、法令遵守体制の構築や社内規程の整備にも携わることがあります。
さらに、企業が直面する紛争や訴訟への対応も重要な業務の一つです。訴訟を未然に防ぐための予防法務や、万が一訴訟になった場合の対応策の立案、裁判所での弁護活動なども行います。
反対に、一般民事である離婚や相続、刑事事件等の業務は基本的に行いません。
企業法務弁護士は、企業に従事しつつ経営判断に対しても法的観点からアドバイスを行うなど、企業価値の向上や持続可能な成長を支援する重要な役割を担っています。
顧問弁護士と企業内弁護士の違いとは
企業法務を行う弁護士には、社外の者である顧問弁護士と、企業内弁護士の2タイプがあります。
顧問弁護士は、外部の法律事務所に所属し、必要に応じて企業にアドバイスを提供します。弁護士事務所は特定の専門分野に特化する場合があるため、基本的には専門性が高く、多様な案件に対応できます。一方、企業外の人間であるため企業の内部事情や取引先の情報等には精通していないのが通常です。
企業内弁護士(インハウスローヤー)は、企業に直接雇用され、日常的に法務業務に携わる弁護士を言います。企業の事業について深く理解し、迅速な対応が可能ですが、特定の分野に特化した専門知識が不足する可能性があります。
両者には、コスト面や利用頻度、業務の範囲などにも違いがあるため、企業の規模や業種、法務ニーズに応じて、適切な形態を選択することが重要です。
近年では、両者を併用し、相互補完的に活用する企業も増えています。
顧問弁護士の役割とメリット
顧問弁護士の主な利点として、外部の専門家としての客観的な視点を提供できることが挙げられます。企業内部では気づきにくい法的リスクを指摘し、適切な対策を提案することができます。
また、弁護士事務所は特に専門的な分野に特化している場合があります。例えばM&Aを専門に取り扱う事務所では、相手方の選定や調査まで行える場合があるほか、手続きもスムーズになるでしょう。
さらに、他の専門士業と連携している合同事務所もあります。企業内弁護士においては一般的な会社法務に集中しがちですが、外部弁護士やその他士業による合同事務所においては、登記や許認可、労務関係の法務も一括で依頼できる場合があります。
企業内弁護士(インハウスローヤー)の働き方
企業内弁護士(インハウスローヤー)は、企業に常駐し、法務部門の一員として働く弁護士を指します。企業内弁護士は企業の日常的な法務を担当し、場合によっては経営陣に法的アドバイスを提供するなど重要な役割を果たしています。
インハウスローヤーの主な業務には、契約書の作成や審査、社内規程の整備、コンプライアンス体制の構築、労務問題への対応などが含まれます。また、訴訟や紛争が発生した際の対応策の検討や実行または外部の法律事務所との連携も重要な職務です。
企業内弁護士の働き方は、一般的な法律事務所勤務の弁護士とは異なる特徴があります。特定の企業に専属するため、その企業の事業内容や組織体制を深く理解することで、より効果的な法的サポートを提供できます。
インハウスローヤーは、予防法務の観点から企業のリスク管理にも大きく貢献します。法的リスクを事前に特定し適切な対策を講じることで、企業の持続的な成長と発展を支援する役割を担います。
顧問弁護士と企業内弁護士の選び方
企業法務弁護士を選ぶ際には、顧問弁護士と企業内弁護士の特性を理解し、自社のニーズに合った選択をすることが重要です。
顧問弁護士を選ぶ基準は、専門性や経験、実績、評判などがあります。特に自社の業界に精通した弁護士を選ぶことで、より効果的なアドバイスを得られます。また、コミュニケーション能力や信頼関係の構築も重要な要素です。連絡を取り、直接話してみると良いでしょう。
一方、企業内弁護士を採用する場合は、法務スキルに加えて、ビジネス感覚や組織への適応力も考慮する必要があります。自社の企業文化や経営方針を理解し、法務部門と他部門との橋渡しができる人材が望ましいでしょう。
どちらを選ぶにせよ、面談や紹介を通じて候補者の人柄や価値観を確認することが大切です。また、費用対効果や契約条件についても十分に検討し、長期的な視点で選択することが賢明です。
必要に応じて、顧問弁護士と企業内弁護士の併用も検討するとよいでしょう。
法律事務所の規模や種類別の特徴
弁護士事務所は、その規模や特徴によっておおまかに分類することができます。
大規模な総合法律事務所は、多様な法律分野に精通した弁護士を多数抱え、大企業や複雑な案件に対応する能力を持っています。これらの事務所は、国際的な取引や大型のM&A案件などを得意としており、豊富な人材と経験を活かしたサービスを提供します。
一方、中小規模の法律事務所は、特定の法律分野に特化していることが多く、よりパーソナルなサービスを提供する傾向があります。これらの事務所は、地域に根ざした案件や個人顧客のニーズに柔軟に対応することができます。また、費用面でも大規模事務所と比べて比較的リーズナブルな場合が多いです。
ブティック型法律事務所は、特定の法律分野に高度に特化した事務所で、その分野における専門性と経験が豊富です。企業法務に特化したブティック型事務所では、M&Aや知的財産権など、特定の企業法務分野において卓越したサービスを提供します。
最近では、オンライン法律相談サービスを提供する事務所も増えており、時間や場所の制約を受けずに法律相談を受けられるようになっています。これらの事務所は、ITを活用した効率的なサービス提供を特徴としています。
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2019年司法書士登録 補助者時代から複数の事務所勤務を経て2021年独立。同時にWebライター・記事監修業務を開始。 できるだけ一般的な表現での記事作成を心がけているます。法律関係の諸問題は、自己判断せずに専門家に相談することが解決への近道です。
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