個人情報保護法改正で変わる!プライバシーポリシー記載項目とは?
情報漏洩対策
2025.12.05 ー 2025.12.04 更新
「プライバシーポリシーって、個人事業主の自分にも関係あるの?」
そう疑問に感じる方は多いかもしれません。
実は、お客様の情報を少しでも扱うなら、事業の規模にかかわらず必要となる大切なものです。個人情報保護法は、従業員数や売上規模に関係なく、個人情報を扱うすべての事業者に適用されます。たとえば、ネットショップで名前や住所を記録したり、メールマガジンの配信リストを持っていたりするなら、プライバシーポリシーは欠かせません。
これは、単に法律上の義務を果たすだけでなく、お客様との信頼関係を築き、万が一のトラブルから事業を守るための基盤でもあります。
この記事では、法律用語が苦手な方でも安心して理解できるよう、プライバシーポリシーの基本をやさしく解説していきます。
プライバシーポリシーとは?個人事業主が知るべき基本知識

プライバシーポリシーは、事業者が「お客様の個人情報をどのように扱うか」を明確にした約束事です。「個人情報保護方針」とも呼ばれ、事業を営む上で重要な文書です。
プライバシーポリシーの役割と法的な必要性
プライバシーポリシーは、お客様との信頼関係を築く土台であり、同時に法律上の義務を果たすための重要な文書です。
まず、個人情報保護法はすべての事業者に適用される、ということを理解しておきましょう。「個人事業主だから関係ない」と思われがちですが、ネットショップでの注文受付、メールマガジンの配信、お客様からの問い合わせ内容の保存など、日常業務で個人情報を扱うなら対象となります。
プライバシーポリシーの最も大きな役割は、お客様に「あなたの情報をこう扱います」と事前に伝えることです。法律では、個人情報を取得する際に「利用目的」を明らかにすることが義務付けられています。これは、情報を提供する側が安心して個人情報を提供できるようにするための仕組みです。たとえば、メールアドレスを入力するとき、それが「商品発送の連絡用」なのか「マーケティングメール配信用」なのか、事前に知っておきたいですよね。プライバシーポリシーは、こうした情報の透明性を保つ役割を果たします。
さらにプライバシーポリシーは、事業者自身を守る盾にもなります。もしお客様の情報が漏えいしてしまったとき、「どんな安全対策をしていたか」「事前にどう説明していたか」が問われるでしょう。きちんとしたプライバシーポリシーを掲げ、それに沿った運用をしていれば、万が一のトラブル時にも「説明責任を果たしていた」という証拠になるのです。何も用意していない状態で問題が起きると、法的責任を問われるリスクが高まります。
プライバシーポリシーは、このような複数の意味を持つ文書です。決して大企業だけのものではなく、小さな信用の積み重ねが事業を左右する個人事業主こそ、丁寧に準備しておきたいものだと言えます。
利用規約との違いと使い分けのポイント
「プライバシーポリシーと利用規約って、何が違うの?」という疑問は、多くの方が抱くものです。どちらも「ウェブサイトに載っている長い文章」というイメージがあるかもしれませんが、目的も内容もまったく異なります。
プライバシーポリシーは、個人情報の取り扱いに特化した文書です。「お客様の情報をどう集めて、どう使って、どう守るか」を説明するもので、主役は「お客様の情報」です。たとえば、「お名前とメールアドレスは商品発送のためだけに利用します」「第三者には提供しません」「安全に保管します」といった内容が書かれています。
一方、利用規約は、サービス全体のルールを規定した文書です。たとえば、「このサイトを利用できるのは18歳以上です」「返品は○日以内まで」「トラブル時の責任はどちらが負うか」など、サービスを提供する側と利用する側の権利と義務の関係を明確にするものです。主役は「サービスの使い方とルール」であり、個人情報の話だけに限定されません。
このように2つは別物なのですが、実際の運用では両方を一緒に掲載することが一般的です。ウェブサイトのフッター部分などに「プライバシーポリシー」と「利用規約」のリンクを並べておき、お客様が必要に応じて確認できるようにします。法律的には、プライバシーポリシーは個人情報保護法で義務付けられていますが、利用規約は必須ではありません。しかし、トラブルを防止するためには、利用規約もしっかり用意しておく方が安心です。
個人事業主の場合、最初からすべてを完璧に作るのは難しいかもしれません。しかし、まずは「お客様の情報をどう扱うか」を説明するプライバシーポリシーから始めて、事業が大きくなってきたら利用規約も整えていく、そんな段階的なアプローチでも十分です。
個人情報保護法で義務化された記載必須項目とは?企業が守るべき基本ルールを分かりやすく解説

このセクションでは、この個人情報保護法で定められた「記載必須項目」について、難しい法律用語をできるだけ使わず、日常の場面と照らし合わせながらお伝えします。
利用目的の明記と変更時の対応方法
まず企業が必ず示さなければならないのが、「この情報を何のために使うのか」という利用目的です。
たとえば、あるECサイトで会員登録をするとき、「お客様の氏名・住所・メールアドレスは、商品の配送、お問い合わせへの対応、メールマガジンの配信に利用します」といった文章を目にすることがあると思います。これが「利用目的の明記」です。法律上、企業は情報を取得する時点で、その情報をどのように使うかを具体的に示さなければなりません。
利用目的は一度決めたら絶対に変えられないわけではありませんがその場合は、本人に通知または公表しなければならないというルールがあります。たとえば、「今後はマーケティング分析にも利用します」といった変更をする場合、企業は利用者に対してメールで通知したり、ホームページに掲載して公表したりする必要があります。
このように、企業がどんな理由で私たちの情報を使うのかをはっきりさせることで、利用者側も安心してサービスを利用できます。もし企業のホームページに「利用目的」がまったく書かれていない場合は、それ自体が法律違反の可能性があるため、注意が必要です。
個人情報の取得・管理体制と安全措置
次に、企業は「集めた個人情報をどうやって守るのか」という管理体制や安全対策についても明記する義務があります。
たとえば、会員登録フォームに「お客様の個人情報は、SSL通信により暗号化され、適切に管理されます」という文言が書かれていることがあります。これが「安全管理措置の公表」にあたります。
企業には、情報が漏洩したり、勝手に書き換えられたり、消えてしまったりしないように、技術的・組織的な対策を講じる義務があります。
具体的には、次のような対策です。
- 技術的対策: データを暗号化する、ファイアウォールを導入する、アクセス権限を厳格に管理する
- 組織的対策: 社内で責任者を決める、従業員に対して定期的に研修を行う、情報を取り扱う際のルールを作成する
- 物理的対策: サーバー室に鍵をかける、入退室を記録する、書類はシュレッダーで処分する
もし企業がこうした対策をまったく取らずに、顧客の個人情報を誰でもアクセスできるフォルダに保管していたり、紙のままロッカーに放置していたりすると、それだけで法律違反になる可能性があります。
近年では外部のクラウドサービスを利用する企業も増えましたが、その場合でも企業側には、委託先を適切に監督する義務があります。
このように、企業が「どんな方法で情報を守っているか」を明示することで、利用者が安心してサービスを利用できる仕組みとなっています。
第三者提供時の記載事項とオプトアウト手続き
ここからは少し複雑になりますが、「企業が集めた情報を他の会社と共有する場合」のルールについてお話しします。
たとえば、あなたがネット通販で商品を買ったとき、配送業者に住所や名前が共有されます。これも「第三者提供」の一種です。ただし、このように「配送のために必要」といった合理的な理由がある場合は、利用者の同意がなくても提供できるケースがあります。
しかし、もっと慎重に扱わなければならないのが、「利用者の情報をマーケティング会社や提携先と共有する」ような場合です。こうしたケースでは、企業は以下の内容を必ず明記しなければなりません。
- どのような情報を提供するのか(氏名・住所・年齢など)
- どのような方法で提供するのか(データ送信、書面の郵送など)
- どのような企業に提供するのか(具体的な社名、または業種・用途)
- 本人が提供を拒否できること(オプトアウト)
この中でも特に重要なのが「オプトアウト手続き」です。これは、利用者が「自分の情報を他社に渡さないでほしい」と希望する場合に、簡単に拒否できる仕組みのことを指します。
たとえば、企業のプライバシーポリシーの中に「第三者への提供を希望されない方は、こちらのメールアドレスまたは電話番号にご連絡ください」という案内があるのを見たことがあるかもしれません。これがオプトアウトの窓口です。
ただし、すべての第三者提供でオプトアウトが使えるわけではない点に注意しましょう。たとえば、機密性の高い情報(クレジットカード番号、健康状態など)を第三者に渡す場合は、事前に本人の明確な同意を得なければならず、オプトアウトだけでは不十分です。
また、企業は「誰に提供したか」「どんな情報を渡したか」といった記録を作成し、団参者が含む情報について一定期間保管する義務もあります。これは、後から「こんな会社に情報が渡っていたなんて知らなかった!」というトラブルを防ぐための仕組みです。
このように、第三者提供のルールは細かく定められており、企業には透明性のある対応が求められます。
保有個人データの開示・訂正・削除対応
最後に、私たち利用者が持っている大切な権利についてです。それが、「自分の情報を確認したり、間違いを直したり、消してもらったりする権利」です。
たとえば、あなたが数年前に会員登録したサイトで、登録時の住所が古いままになっているケースを考えてみましょう。引っ越し後の新住所に変更したいけれど、ログインページからは変更できません。そんなとき、企業に対して「登録情報を見せてください」「間違っている部分を直してください」と請求できるのが、この権利です。
個人情報保護法では、企業が保有している「保有個人データ」について、以下のような対応を求めることができます。
- 開示請求: 「私の情報をどんなふうに持っているのか、見せてください」と求めること
- 訂正請求: 「この情報、間違っているので直してください」と求めること
- 削除請求: 「もう使っていないので、消去してください」と求めること
- 利用停止請求: 「この情報を使わないでください」と求めること
企業は、こうした請求に対応する窓口(メールアドレス、電話番号、問い合わせフォームなど)を必ず公表しなければなりません。そして、請求があった場合には、原則として遅滞なく対応する義務があります。
ただし、すべての請求が無条件で通るわけではありません。たとえば、「この情報は契約上、保管が義務付けられている」「削除すると他の利用者に迷惑がかかる」といった正当な理由がある場合は、企業が対応を拒否することもあります。その場合でも、企業は「なぜ対応できないのか」を利用者に説明する義務があるのです。
最近では「忘れられる権利」という言葉を耳にすることもあるかもしれません。これは、EUの法律(GDPR)で認められている権利で、日本の個人情報保護法にも似た考え方が取り入れられています。たとえば、過去に登録したサービスをもう使っていない場合、「自分の情報を完全に削除してほしい」と求めることができるケースもあります。
このように、企業は私たちの情報を一方的に管理するのではなく、利用者自身が自分の情報をコントロールできるような仕組みを整える義務があるのです。
最低限押さえたい!個人情報保護法の改正ポイント

「また法律が変わったの?」「うちの会社、ちゃんと対応できてるのかな…」そんな不安を抱えていませんか?
2024年の個人情報保護法改正は、上記で述べたような「知らなかった」では済まされない重要な変更が含まれています。ここでは、難しい法律用語をできるだけ使わず、実際の業務でどう対応すればいいのかを中心に解説します。
2024年改正で変わった事業者の義務
2024年4月に施行された改正個人情報保護法では、事業者が守るべきルールが大きく見直されました。特に重要なのが、個人情報を扱う際の透明性をより高めることが求められるようになった点です。
まず、従来は「利用目的を本人に通知または公表する」というやや曖昧な表現でしたが、改正後はより具体的に、わかりやすく伝える義務が明文化されました。たとえば「マーケティング目的で利用します」という抽象的な記載ではなく、「メールマガジンの配信、新商品のご案内、アンケート調査への協力依頼に利用します」といった形で、利用者が「自分の情報がどう使われるのか」をイメージできる表現が求められるようになったのです。
また、第三者への提供に関するルールも厳格化されています。従来は「本人の同意があればOK」という扱いでしたが、改正後は「どの第三者に、どのような目的で提供するのか」を明示したうえで同意を得る必要があります。つまり、単に「第三者に提供することがあります」と書いてチェックボックスを置くだけでは不十分で、提供先の業種や利用目的まで踏み込んで説明することが求められるようになりました。
さらに、漏洩等が発生した場合の報告義務の範囲も拡大しています。従来は「高リスクな漏洩」に限定されていた報告義務が、改正後は「1000人以上の個人情報が漏洩した場合」や「不正アクセスによる漏洩」など、具体的な基準が設けられました。これにより、「どこまでが報告対象なのか」という曖昧さが減り、事業者側も判断しやすくなった反面、報告を怠ると後述する課徴金の対象になるリスクが高まります。
加えて、安全管理措置の強化も明文化されました。たとえばクラウドサービスを利用している場合、そのサービス提供者が適切なセキュリティ対策を講じているかを確認し、定期的に監督する責任が事業者に課されるようになりました。そのため、2025年内に策定する各種システムや、IT環境への設置について、適切な手順を踏み、推進する担当者を決める必要があります。
課徴金制度導入による罰則強化への対策
今回の改正で最も大きなインパクトを持つのが、課徴金制度の導入です。これは、違反行為に対して金銭的なペナルティを科す制度で、従来の「指導・勧告・命令」という段階的な対応から一歩踏み込んだ、より厳しい措置と言えます。
具体的には、個人情報保護委員会からの命令に従わなかった場合や、重大な違反行為を繰り返した場合に、違反行為によって得た利益や違反の程度に応じた金額が課徴金として徴収されます。金額の上限は明確に定められていませんが、海外のGDPR(EU一般データ保護規則)では全世界売上高の4%という巨額の罰金が科されることもあり、日本でも同様に高額化する可能性が指摘されています。
この制度の怖いところは、「知らなかった」「故意ではなかった」という言い訳が通用しにくい点です。たとえば、社内で個人情報の取り扱いルールが周知されておらず、従業員が誤って第三者に情報を提供してしまった場合でも、組織としての管理体制が不十分だとみなされれば、課徴金の対象になる可能性があります。
では、どう対策すればいいのでしょうか?まず最優先で取り組むべきは、社内の個人情報管理体制の整備です。
具体的には、以下のような対応が必要になります。
- 個人情報の取り扱いに関する社内規程の見直しと明文化。「誰が、どの情報に、どのようにアクセスできるのか」「外部に情報を提供する際の承認フロー」「漏洩時の対応手順」などを、誰が見てもわかる形で文書化しておくことが重要です。
- 従業員への定期的な教育・研修の実施。年に1回でも構いませんので、個人情報保護法の基本や社内ルール、最近の違反事例などを共有する機会を設けましょう。特に、新入社員や中途入社者には、入社時に必ず研修を行うことが望ましいです。
- 定期的な自己点検の実施。「自社の個人情報がどこに保管されているか」「アクセス権限は適切に設定されているか」「クラウドサービスのセキュリティ設定は最新か」といった項目をチェックリスト化し、半年に1回程度見直す習慣をつけることで、リスクを早期に発見できます。
- 万が一の漏洩時に備えた対応マニュアルの整備。「誰に報告するのか」「個人情報保護委員会への報告期限」「本人への通知方法」などを事前に決めておくことで、パニックにならずに冷静な対応が可能になります。
規模の小さい事業者や個人事業主の方にとっては、そこまでの体制を整えるのは容易ではないと感じるかもしれません。その場合は、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に相談し、自社の規模や業種に合った最低限の対策を確認しておくことをおすすめします。専門家は、法律の細かい解釈だけでなく、実務上どこまで対応すれば十分なのかという現実的なアドバイスもしてくれます。
法改正への対応は、一度きりの作業ではありません。法律は今後も変わり続けますし、事業の内容や規模によっても必要な対策は変わります。だからこそ、「今できる範囲でしっかり基盤を作っておく」という姿勢が、将来的な大きなリスクを避けることにつながります。
プライバシーポリシーの作り方|テンプレート付き

「プライバシーポリシーって、どうやって作ればいいの?」そんな疑問を持ったまま、なんとなくコピペで済ませようとしていませんか?
実は、プライバシーポリシーは「自社の個人情報の取扱い方」を正直に説明するものであって、他社のものをそのまま流用すると、実態と合わない内容になってしまい、トラブルの元になります。とはいえ、法律用語や専門的な書き方に不安を感じる方も多いでしょう。
このセクションでは、難しい法律用語を極力使わずに、「何を・どの順番で・どう書けばいいか」を具体的にご説明します。自社の状況にぴったり合った、安心して使えるプライバシーポリシーを一緒に作っていきましょう。
プライバシーポリシー作成の進め方
プライバシーポリシーは、「とりあえず作っておく」という姿勢では意味がありません。自社がどんな個人情報をどう扱っているのかを正確に把握し、それをわかりやすく言葉にする作業が必要です。
ここからは、初めて作成する方でも安心して進められるように、具体的な手順とポイントをステップごとに解説していきます。
自社の個人情報取扱い状況をチェックする方法
プライバシーポリシーを作る前に、まず最初にやるべきことは「自社がどんな個人情報を持っているか」を整理することです。これをしないまま作成を始めると、後から抜け漏れに気づいて修正が必要になり、二度手間になってしまいます。
まずは、以下のような視点で自社の業務フローを見直してみてください。
- お客様から直接取得している情報: 名前、メールアドレス、住所、電話番号、生年月日など
- サービス利用時に自動で記録される情報: アクセスログ、Cookie、IPアドレス、閲覧履歴など
- 外部から取得している情報: SNSログイン連携、Googleアナリティクス、広告配信ツールなど
- 従業員や取引先の情報: 履歴書、給与情報、契約書に記載された担当者名など
たとえば、ECサイトを運営している場合、購入者の氏名・配送先・決済情報はもちろん、カゴ落ちメールを送るためにメールアドレスを保存しているケースもあります。こうした「当たり前に使っている情報」も、プライバシーポリシーには記載が必要です。
また、GoogleアナリティクスやFacebook Pixelなどの外部ツールを使っている場合、これらは訪問者の行動データを収集しているため、「第三者提供」に該当する可能性があります。自社では意識していなくても、実は個人情報を共有しているケースは意外と多いものです。
必要事項を漏れなく盛り込む作成手順とテンプレート活用
自社の個人情報取扱いの実態が整理できたら、次はそれをプライバシーポリシーの形にまとめる作業です。一見難しそうに思えますが、法律で定められている「記載すべき項目」さえ押さえておけば、意外とシンプルにまとまりまります。
必須記載事項(個人情報保護法に基づく)
プライバシーポリシーには、以下の内容を必ず含める必要があります。
- 個人情報の利用目的: なぜその情報を取得するのか(例: 商品発送、サポート対応)
- 取得する個人情報の項目: 氏名、メール、住所など具体的に列挙
- 第三者提供の有無: 外部サービス(GoogleやAmazonなど)にデータを渡しているか
- 安全管理措置: 情報漏洩を防ぐためにどんな対策をしているか
- 開示・訂正・削除の方法: ユーザーが自分の情報を確認・修正・削除したいときの手続き
- お問い合わせ窓口: 会社名、住所、メールアドレスなど連絡先
作成手順の流れ
- テンプレートをベースに選ぶ: 業種や規模に合ったテンプレートを見つける(後述の例文参照)
- 先ほど整理した取扱い状況を当てはめる: 自社の「取得項目」「利用目的」を具体的に記載
- 第三者提供の詳細を追記: GoogleアナリティクスやSNS連携などの情報を明記
- 連絡先・更新日を記載: 最終確認として、会社情報と制定日を入れる
テンプレートは、あくまで「型」として使い、中身は自社の現状に合わせて調整することが重要です。特に「利用目的」は、曖昧な書き方(例: 「サービス向上のため」)ではなく、「どのサービスのどんな場面で使うのか」まで具体的に書くと信頼性が高まります。
記載時に注意すべき落とし穴
プライバシーポリシーを作るとき、多くの方が無意識にやってしまいがちな「落とし穴」があります。これを知らずに公開してしまうと、法的リスクや信頼低下につながる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
よくある落とし穴①:他社のコピペをそのまま使う
「似たような業種の会社のプライバシーポリシーをコピーすれば楽だし、問題ないだろう」と考える方もいますが、これは非常に危険です。
なぜなら、プライバシーポリシーは「実際の個人情報取扱いの内容」と一致している必要があるからです。たとえば、他社が「会員登録時に生年月日を取得します」と書いていても、自社のサービスで生年月日を取得していないなら、その記載は不要です。逆に書いてあると「実態と異なる記載をしている」とみなされるリスクがあります。
また、第三者提供の項目についても、他社が使っている外部ツール(広告配信サービスなど)と自社が使っているツールが異なる場合、その記載は誤りになります。ユーザーからの信頼を損なったり、個人情報保護委員会から指導を受けたりする可能性があります。
よくある落とし穴②:「利用目的」が曖昧すぎる
プライバシーポリシーでよく見かける表現に、「サービス向上のため」「お客様満足度向上のため」といった抽象的なものがあります。しかし、これでは何にどう使われるのかがユーザーに伝わりません。
個人情報保護法では、「利用目的をできる限り特定する」ことが求められています。たとえば、以下のように具体的に書くと、ユーザーも納得しやすくなります。誰が・何を・どのように使うのかまで明示することで、透明性が高まり、安心感につながるでしょう。
よくある落とし穴③:Cookieや外部ツールの記載が抜けている
GoogleアナリティクスやFacebook Pixel、広告配信ツールなどを導入している場合、これらは訪問者の行動データを収集・利用しているため、プライバシーポリシーに記載する必要があります。
特に改正個人情報保護法では、Cookieの利用についても明示することが求められるようになりました。「自分たちが直接情報を見ているわけじゃないから大丈夫」と思っていても、法的にはアウトになる可能性があるのです。外部サービスの名称とリンクを明記しておくことで、ユーザーに対して誠実な姿勢を示すことができます。
コピペで使えるプライバシーポリシーの例文・無料テンプレート
ここまでの内容を踏まえて、実際に使えるプライバシーポリシーの例文テンプレートをご紹介します。業種や規模に応じて調整して使ってください。
【例文テンプレート】
プライバシーポリシー
株式会社〇〇(以下「当社」といいます)は、お客様の個人情報保護の重要性について認識し、個人情報保護法および関連法令を遵守し、以下のとおりプライバシーポリシーを定めます。
1. 個人情報の定義
個人情報とは、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど、特定の個人を識別できる情報を指します。
2. 個人情報の取得項目
当社は、以下の個人情報を取得します。
- 氏名
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所(商品配送がある場合)
- その他、お問い合わせ内容に応じて必要な情報
3. 個人情報の利用目的
取得した個人情報は、以下の目的で利用します。
- お問い合わせへの対応
- 商品・サービスの提供
- メールマガジンの配信(ご希望の方のみ)
- サービス改善のためのアンケート実施
4. 個人情報の第三者提供
当社は、お客様の同意なく第三者に個人情報を提供することはありません。ただし、以下の場合を除きます。
- 法令に基づく場合
- 人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合
5. Cookieの使用について
当社のウェブサイトでは、Googleアナリティクスを使用しています。これにより、アクセス状況や利用状況を分析していますが、個人を特定するものではありません。
6. 個人情報の開示・訂正・削除
ご本人からの開示・訂正・削除のご請求があった場合、速やかに対応いたします。お問い合わせ窓口までご連絡ください。
7. お問い合わせ窓口
株式会社〇〇
〒xxx-xxxx 東京都〇〇区〇〇
Email: info@example.com
電話: 03-xxxx-xxxx
制定日:20xx年x月x日
このテンプレートは、あくまで基本的な構成例です。自社の実態に合わせて、以下のような調整を行ってください。
- 業種に応じた項目追加: 医療・金融・教育など、機微な情報を扱う場合は「要配慮個人情報」の取扱いについても記載が必要です。
- 外部ツールの詳細記載: SNSログイン連携、決済代行サービスなどを利用している場合は、その旨を明記しましょう。
- 更新履歴の追加: プライバシーポリシーを改定した場合、改定日と内容を記録しておくと信頼性が高まります。
無料で使えるテンプレートサイトもいくつかありますが、必ず自社の状況に合っているか確認してから使うようにしましょう。特に、Cookieや外部サービスの記載は、テンプレートによって大きく異なるため、注意が必要です。
特殊ケースの対応方法

個人情報保護法には、一般的な利用目的の記載ルール以外にも、いくつか特殊な状況に応じた追加の記載義務が定められています。これらのルールを理解しないまま個人情報を扱うと、法律違反となる可能性があります。
それぞれのケースで必要となる追加記載内容について詳しく見ていきましょう。
海外への個人情報提供時の追加記載事項
近年、クラウドサービスの利用やグローバル展開に伴い、個人情報を海外のサーバーに保存したり、海外の取引先に提供したりするケースが増えています。実は、個人情報を日本国外へ移転する場合には、通常の利用目的の記載に加えて、追加の情報を明示しなければならないというルールがあるのです。
個人情報保護法では、海外への個人情報提供について原則として本人の同意を必要としています。その際には、「どの国に提供するのか」「その国の個人情報保護制度はどのような状況なのか」といった情報を本人に提供する義務があります。
具体的に記載すべき内容としては、まず「提供先の国名」が必須です。これは複数国にまたがる場合でも、すべての国名を列挙する必要があります。次に、「その国の個人情報保護制度に関する情報」も提供しなければなりません。たとえば、EUのGDPR(一般データ保護規則)に準拠した管理体制があるか、あるいは日本と同等の保護水準があるかといった内容です。もし提供先が個人情報保護の水準が十分でない国の場合には、その旨を明示したうえで、事業者側でどのような安全管理措置を講じているのかを説明する必要があります。
また、提供先が「個人データの取扱いについて個人情報取扱事業者が講ずる措置に関する情報」を提供することも求められています。これはつまり、海外の委託先や取引先がどのようなセキュリティ体制を持っているのか、契約上どのような義務を負わせているのかといった具体的な管理体制を、利用者が確認できる形で示すことです。
たとえば、ECサイトを運営している事業者が、注文処理業務を東南アジアの企業に委託している場合、「お客様の注文情報は、業務委託先である〇〇国の△△社に提供されます。同国には日本の個人情報保護法に相当する法律がありませんが、当社は△△社との契約において、日本と同等の安全管理措置を義務付けており、定期的に監査を実施しています」といった説明が必要になります。
このように、海外への個人情報提供時には、どの国に、どのような管理体制のもとで、どんな情報が渡るのかを、利用者が理解できる形で明示することが法律上の義務となっています。
共同利用や委託先管理の記載ルール
もうひとつ見落としがちなのが「個人情報の共同利用」や「外部への委託」に関する記載ルールです。これらは、自社だけで個人情報を管理するのではなく、グループ会社や提携先、外部の専門業者と協力して情報を扱う場合に適用されます。
まず「共同利用」とは、特定の複数の事業者間で、同じ個人情報を共有して利用することです。たとえば、親会社と子会社が顧客データベースを共有している場合や、提携している企業同士でポイントサービスの会員情報を相互に利用している場合などが該当します。
共同利用を行う場合、利用目的のほかに、以下の項目をあらかじめ本人に通知または公表する必要があります。
- 共同利用する個人情報の項目: 具体的に何の情報を共有するのかを明確にする。(氏名、住所、電話番号、購買履歴など)
- 共同利用する事業者の範囲: 誰と共有するのかを特定する。「当社グループ会社」だけでは不十分で、「株式会社〇〇および関連会社5社(一覧はこちら)」のように、具体的な範囲を示す。
- 共同利用する者の利用目的: 共同利用する全員が、その情報を何のために使うのかを記載する。(「各社のサービス案内、マーケティング活動、業務連携のため」など)
- 個人情報の管理について責任を有する者の氏名または名称: 共同利用する複数の事業者の中で、誰が管理責任者なのかを明示する。通常は親会社や代表企業の名称を記載することが多い。
たとえば、グループ企業間で顧客情報を共有している場合、
「お客様の氏名・住所・電話番号・購買履歴は、当社および当社グループ会社である株式会社△△、株式会社□□の3社で共同利用します。利用目的は、各社が提供するサービスのご案内およびマーケティング活動です。共同利用する個人情報の管理責任者は、株式会社〇〇(代表取締役 ××)です」
といった記載が必要になるでしょう。
次に「委託」についてです。委託とは、自社の業務の一部を外部の専門業者に依頼する場合に、その業務遂行のために個人情報を渡すことを指します。たとえば、コールセンター業務を外部委託したり、配送業務を運送会社に依頼したりする場合がこれに当たります。
委託の場合、個人情報保護法上は「本人への通知・公表義務」は必ずしも求められていませんが、実務上は利用目的の一環として「業務委託先への提供」を明記しておくことが推奨されます。また、委託先に対しては、委託元である事業者が適切な監督を行う義務があります。
たとえば、通販サイトを運営している事業者が配送業務を外部委託している場合、
「お客様の配送先情報は、配送業務を委託する運送会社に提供します。当社は委託先に対し、適切な安全管理措置を講じるよう契約で義務付け、定期的に管理状況を確認しています」
といった記載をしておくと、利用者に対して透明性が確保され、安心感を与えることができます。
これらの特殊ケースにおける記載ルールを守ることは、単に法令を遵守するだけでなく、利用者に対して「自分の情報がどのように扱われているのか」を明確に示すことで、信頼関係を築く重要な手段です。もし記載内容や管理体制について不安がある場合や、自社の状況が法律に適合しているか判断がつかない場合には、個人情報保護法に詳しい弁護士や専門家に相談することで、リスクを未然に防ぎ、適切な対応方法を見つけることができます。
このように、企業法務やITに関連する事項など、各種の項目における規定やガイドラインを含めた取り扱いについて、その要件や費用を資料や概要で確認することが重要です。
さらに、個人情報が流出した際の被害や損害賠償、また知的財産権の侵害に関わる苦情の解決についても、個別の事例に応じた対応など、指針を定める必要があります。
法務急済運営事務局
法務急済運営事務局|株式会社WEBY 株式会社WEBYの法務急済運営事務局として、全国400以上の弁護士・司法書士事務所のWEBマーケティングを支援。法律分野に特化したWEB集客の知見を活かし、これまでに1,000本以上の法律系記事の企画・執筆・編集に携わる。HP制作、SEO対策、WEBコンサルティング、LMC(ローカルマップコントロール)など多角的なサポートを通じて、法律業界の最新動向に精通。 企業法務に求められる実務視点と、法律事務所支援で培った専門知識を基に、企業が抱える法務課題に対して実行可能な情報提供を行うとともに、適切な弁護士・司法書士の紹介も行っている。
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